スピリチュアルと仕事の交差点

人事の仕事やってます

就職氷河期という環境

私は就職氷河期世代にあたります。どちらかといえば後半世代かなと思いますが幸いにもずっと正社員の雇用形態で仕事をすることができました。途中1年くらい働いていなかった時期もありましたが建前上留学みたいなことをやっていたので、フリーターでもありませんでした。

 

今から15年ほど前でしょうか、派遣社員が礼賛された時代がありました。ワークライフバランス(その当時この言葉あったかな?)も取れるし自由な働き方でサイコー!という空気があったような気がします。派遣社員を主人公にしたドラマもありました。またその頃は「結婚できない女は負け犬」論もすごかったので、女性から見ると派遣社員というのはちょうど良い塩梅の働き方だったのかもしれません。なので積極的に派遣社員という身分を選んだ方も当時は多かったでしょうし、そんな派遣社員の女性と結婚した同期もいました。一方で男性もなかなか正社員での働き口がないが故に例えばエンジニア派遣で働いている方も多くいたように思います(エンジニアは業界構造上の問題もあると思います)。

 

その頃私はまだ社会人なりたてまでは言い過ぎですがまぁ若手だったので、派遣社員のお姉さん方がテキパキ仕事をする様子を見てすごいなぁと思っていました。ですが数年も経つと、結局個々人の価値観には因るんですが派遣社員って危険な働き方だなぁと感じるようになりました。
それを強く感じるようになったのは、採用の仕事をやるようになってからです。

 

派遣社員という働き方はそもそもその立場での期待値が「言われたことをきちんとこなす」が大半なので、逆に言うと自分の判断で勝手なことをするわけにいかず、結果的に指示待ち、受け身であることが求められます。しかしそこから脱していざ正社員で働きたいとなると正社員は大抵プロアクティブな動き方や考え方が求められるので、そのような経験がなければなかなか選考を通過することができません。正社員の期待値を満たせていないからです。ですから「いい人なんだけどね…」で不合格になってしまうケースがよくありました。

 

じゃあその人個人だけが悪いのか?というと、そうではない(それだけではない)と思います。やはり環境(時代)に引っ張られてしまった人が多いと思います。散々その環境に振り回され、ここ数十年の世代の中で一番割を食っているのは就職氷河期世代だと思います。正社員として働ける環境が限られていた中でもなんとか働いてきたのに、いざとなると経験スキルが足りないと言って切られる。もっとプロアクティブに仕事したいと思っていても環境が許さなかった、そういう人も多いと思います。

 

企業は企業で人材戦略もあるし人件費管理もあるし、正直ボランティアではないので確かに人の採用には慎重にならざるを得ません。それはそれで事実です。なのですが、なんとかならないものかとずっとモヤモヤしています。それは人事職としてというのもあるし、自分の世代の話ということもあるし、未来の社会に対してということもあります。

 

ちょうど最近は人材開発系の仕事が多くてついそんなことをぼんやり考えてしまうので、つらつらと取り留めない(結論のない)話を書いてしまいました。

 

ただの独り言です。でも独り言の域をいつか脱せたらいいなとは思っています。

 

 

めちゃくちゃ余談ですが、派遣社員の人が結婚式(新婦)で「◯◯会社(=派遣先)に入社され…」と紹介されているのを聞いて、いやそれ違うやん!って思ったことがありました(笑)派遣元言えよって思っちゃうんですけど、これって合コンで出会ったのを「友人の紹介で…」と言うのと同じかぁ…と思いつつ、こういうのをうまく飲み込めない自分の心の狭さにも我ながらモヤっとする私がいます(苦笑)